シリーズ別の選び方
Gシリーズは動画機能を重視したGHからレンジファインダースタイルのGX7、エントリー向けの自撮り対応GFと幅広いラインナップを展開しています。
当初は手ブレ補正をレンズ内手ブレ補正に頼っていましたが、ここ数年はミドルレンジ以上の機種にボディ内手ブレ補正を搭載しており、レンズ内手ブレ補正と連動して補正効果を上げる「Dual I.S.」も使えます。
GHシリーズ
2009年に登場したGH1は、世界初のフルHD動画を撮れるミラーレス一眼として登場しました。その後、GHといえば動画に強いハイエンド機というコンセプトが最新のGH5まで貫かれています。
Gシリーズ
世界最初のミラーレス一眼「G1」を継承するのがGシリーズ。G1からG9まで着実に世代交代してきました。
バリアングルモニタ、一眼レフスタイルを持ち中央上部にファインダー(EVF)を持つデザインが特徴で、当初はミドルレンジの製品でしたが、最新のDC-G9は「G9 Pro」と銘打たれたハイエンド機になっています。
少々ゴツい外観になりましたが、性能は高くファンの多いカメラです。
GXシリーズ
2011年にEVFをもたない小型のミドルクラスモデルとして登場したGX1。その後、左肩にEVF(パナソニックはLVFと呼んでいる)を搭載したGX7,GX8と進化し、最新モデルはDC-GX7MK3(GX7 Mark III)です。チルト式ファインダー+チルト式モニタが特徴で、ボディ内手ブレ補正も搭載されています。
レンジファインダースタイルのEVF搭載ミラーレス一眼としてしっかりした作りの、スナップに適したカメラです。
GFシリーズ
ファインダーを持たないエントリー向けのシンプルなモデルで、2009年のGF1からはじまり、最新モデルはDC-GF10/GF90(型番が異なるだけでどちらも同じもの)となっています。
エントリー向けということで、ボディ内手ブレ補正がない分小型軽量低価格で、180度回転して自撮りが可能なモニタも付いています。
Sシリーズ
2019年3月に登場するS1とS1Rはどちらも外観は同じ。異なるのは画素数で、、S1は映像も写真も撮るクリエイター向け、S1Rは高画質を必要とするカメラマン向けとされています。
プロ向けのカメラと明言されており、一眼レフに比べると薄く作られていますが、ミラーレス一眼としては大きくてずっしり(バッテリー込みで約1kg)としています。
その代わり、強力な手ブレ補正や防塵防滴耐衝撃耐低温とタフな環境での撮影に耐えられる頑丈な作りをしており、EVFは非常に大きくて見やすく、ダイヤルやボタンが豊富でハイエンドユーザーにとっては使いやすいなど、小型軽量を目指した他社のミラーレス一眼とは異なるコンセプトの製品となっています。
小型軽量のGか高画質のSか
パナソニックのカメラを選ぶ場合、マイクロフォーサーズか35mmフルサイズか、となるでしょう。今のところ35mmフルサイズのS1/S1Rはシェアをとるよりはプロ向けの市場に食い込みたいという製品であり、それ以外でこちらを選ぶのはカメラをよく知っているハイエンドユーザーになるでしょう。
レンズの本数やクオリティは、レンズメーカーのシグマが加わっていることもあって期待できます。ミドルレンジのもうちょっとお求めやすい35mmフルサイズミラーレス一眼が欲しい人は、そういう製品が登場するまで待ってもいいでしょう。
同社のマイクロフォーサーズは操作がこなれていて画質も安定しており、エントリー向けのGFはわかりやすさとシンプルさ重視、上位のG9は豊富なボタンとダイヤルで指が位置を覚えれば快適に撮影できるなどカメラの位置づけがはっきりしています。10年以上の積み重ねがある上に、オリンパスのレンズも使える(ただしズームリングの方向が逆であるなど、微妙な違いがある)ため、レンズ交換を楽しむにもいいでしょう。イメージセンサーが小さい分、交換レンズもコンパクトなものが多く、複数の交換レンズを持って出かけて負担にならないのもよい点。
携帯性重視の本格派カメラが欲しいなら、GX7 Mark IIIが機能的にも使い勝手的にも狙い目でしょう。
(写真:一部製品写真を除き、荻窪圭撮影)
※カメラの分類は編集部が独自の判断で行ったものです。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。