大雑把に3つのランクがある
「3:2、16:9、1:1、4:3」の4つ。アスペクト比を変えられるカメラ自体は珍しくありませんが、LX100M2がすごいのは「リアルなマルチアスペクト」であること。
LX100M2は4:3でも3:2でも16:9でも画角が「ほぼ」同じなのです。
こんな感じ。1:1は4:3の画角に対して左右をカットしてるだけなので省略します。
横長にすると、上下が詰まる分、左右が広がっているのがわかりますね。
4:3で撮ったものと16:9で撮ったものを重ねてみました。
これ、レンズの直径がイメージセンサーに比べて小さく、もともとセンサーをフルに使ってないからできるワザ。
使ってみるとけっこう便利なのです。人によって、あるいは被写体によって、あるいは用途によって最適なアスペクト比は変わりますから。
ちなみに、3つはなぜこのアスペクト比なのでしょう。
まずは4:3。これは初期の映画の標準アスペクト比です。そのアスペクト比を大昔のテレビが採用し、テレビの縦横比を当初のパソコンがそのまま採用し、パソコンやテレビで写真を鑑賞するには4:3が都合がいいということで初期のコンパクトデジカメがそれを採用した、という歴史的経緯です。テレビの方はいつのまにかデジタル放送を機に16:9になってしまいましたが、デジカメでは残ったのですね。今は普及型コンパクトデジカメとマイクロフォーサーズで使われています。
3:2は35mmフィルムのアスペクト比です。少し横長なのですね。デジタル一眼レフや、高級コンパクトがこのアスペクト比を採用しています。フィルム時代からカメラを使っていた人はこのアスペクト比が馴染んでいて使いやすいかと思います。
16:9は今のテレビやHD動画の縦横比ですね。動画と一緒に静止画も撮りたいときや、動画作品に静止画を入れたいとき、テレビで鑑賞したいときにいいでしょう。スマホの画面も最近はワイド化が進んでいるので、スマホで見るのにも相性がいいかも。
わたしは「横位置で撮るときは3:2が、縦位置で撮るときは4:3」がおさまりがよく見えるので、そう使い分けるかなと思います。
撮る写真によって変えるのもいいでしょう。
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。