ソニーはGレンズ
ソニーも同じくらいシンプルです。α7III用として人気のズームレンズで見てみましょう。
FE 24-105mm F4 G OSS
ソニーで重要なのは最初の2文字。
ミラーレス用のマウントはEマウントといいまして、Eではじまります。さらに35mmフルサイズセンサー対応のものは、その前に「F」がつきます。「FE」ではじまればフルサイズセンサー用、EではじまればAPS-Cサイズセンサー用です。
Eマウントのαシリーズは当初「APS-Cサイズ」センサー機ではじまったので、フルサイズセンサー機に「F」とつけて区別しています。
「F4」と開放F値がひとつしかないのは、広角でも望遠でも開放F値が変わらないレンズという意味です。ズーミングしても絞り値が動かないワンランク上のレンズです。
GはGレンズ、ソニーのレンズブランドですね。Gがついていればちょっとランクが上ってことだと思ってください。OSSは手ぶれ補正機構搭載という意味。
ちなみに「24-105mm」は「ニーヨンヒャクゴ」と呼ぶことが多いです。3桁だと「イチマルゴ」とか「イチゼロゴ」ではなく「ヒャクゴ。まあ、その方が言いやすいという話かと思います。
ソニーは独カールツアイスブランドのレンズも用意しておりまして、その場合は
Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
のように、頭にカールツアイスのレンズ名が入ります。ちなみに「バリオテッサー ティースター」と読みます。
パナソニックはなぜか名前が長い
せっかくなので他のメーカーもということで、パナソニック。パナソニックのレンズはフルネームが長いことで有名です(いや有名というほどでもないですが)。
パナソニックは独ライカ社と協業しており、ライカブランドのレンズもラインナップしています。そのためか、ライカ社のレンズのネーミングルールに似ています。
LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.
です。VARIOはズームレンズという意味、Gはレンズのシリーズ名ですから、「LUMIX G VARIO」は「LUMIXのズームレンズ」くらいの意味です。
ASPHはアスフェリカルで「非球面レンズ」のこと。非球面レンズを使っていますよ、という意味ですね。
O.I.S.は手ぶれ防止機構「MEGA O.I.S.」と「POWER O.I.S.」の2種類があり、後者の方が高性能です。
オリンパスは「瑞光」レンズ
オリンパスは手ぶれ補正搭載レンズが少ない(ボディ内手ぶれ補正でまかなうのが基本なので)こともあって、頭の「伝統を引きずった名前」部分を抜けばシンプルです。
たとえばエントリー向けのレンズキットに使われるパンケーキズームレンズ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
オリンパスは老舗カメラメーカーで、自社のレンズに「ZUIKO」というブランド名をつけていました。 漢字で書くと「瑞光」です。元は日本語です。
で、その伝統に従って、デジタルカメラは「ZUIKO DIGITAL」、マイクロフォーサーズは「M.ZUIKO DIGITAL」と名づけられました。
EDは「EDレンズ」という特殊低分散ガラスのレンズを使っていますよという意味。ニコンもEDレンズを使ったレンズにはレンズ名に「ED」をつけています。
まあ、つまりは「M.ZUIKO DIGITAL ED」まではどれも同じなので、この後だけみればOKってことです。
最後の「EZ」は電動ズームレンズのこと。エントリー向けのズームレンズは電動ズームなので「EZ」がついてます。
ハイエンドのレンズには「PRO」という名前がついているのもわかりやすいところ。PROとあれば高くてデカいけど写りがいいんだなと単純に判断できるからです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
ISは手ぶれ補正のことですね。
ちなみにオリンパスとパナソニックはどちらも「マイクロフォーザーズ」という同じ規格を採用していますので、パナソニックのレンズをオリンパスのボディにつけたり、オリンパスのレンズをパナソニックのボディにつけることもできます。これ、大事です。
これでレンズ名の解読は完璧
他にも富士フイルムとかペンタックスとかライカとか、さらに各社マウント向けのレンズを出しているシグマやタムロン、トキナー、サムヤンなどいろいろありますが、全部やると長くなるのでこの辺でまとめると。
基本的にレンズのフルネームは
「レンズ・マウントの名前」+「焦点距離」+「開放F値」+「付加価値」
の組み合わせで構成されています。「付加価値」は手ぶれ補正機構やガラスの種類、その他もろもろですね。
でもフルネームをいちいち口にするのは長くて細かく覚えるのも面倒なので、たいていは「焦点距離+開放F値」に省略します。それで基本的なところはわかるからですね。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。