THETA Z1の画質は大画面でぐるぐる回して楽しみたいレベルに
THETAで撮影するには2つの方法があります。ひとつはTHETA単体での撮影。手で持ってウルトラマンのポーズでシャッターを押してもいいのですが、そうすると指が映り込んでしまいます。どこかに置く、自撮り棒やミニ三脚に装着するなどしてセルフタイマーで撮るといいでしょう。
もうひとつはスマートフォン経由でのリモート撮影。スマートフォンとWi-Fiでつなぐとそれをモニタ代わりにして撮影できます。
するとこんな風に撮れます。
そうして撮った全天球画像はリコーが用意しているWebサイト「theta360.com」にアップロードすることで、ぐりぐり回したり拡大縮小したりと思う存分楽しめます。
これは愛用している珈琲豆屋さんで撮らせてもらったもの。これを見るとわかるように、1枚撮るだけで店内の様子が全部収められるのです。全天球カメラでしかできない、一瞬ですべてを記録する技ですね。
経堂の「カフェマルシェkunikuni」でシータZ。最近、ここでコーヒー豆買ってます。PayPayで買えるのが地味に嬉しい。 #カフェマルシェkunikuni #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
THETA本体は画像を表示するモニタを持っていませんが、スマートフォン経由ではこのように画像を見ながら撮れますし、撮影後の自動転送もしてくれます。
本体のみで撮った場合も、どう撮れたか確認するにはスマートフォンを使うしかなく、スマートフォンは必須といえましょう。
では上の例で撮影した桜を。
だいたいこんなイメージです。
ではTHETA Z1とTHETA Vで部分的に拡大して見比べてみましょう。
これだけ画質が違います。ディテールの描写力が違うほか、ハイライト部の白トビも減ってます。
さすがに1型センサーのTHETA Z1でもめいっぱい拡大するとディテールはそこまで出ているわけではありませんが、通常はここまで拡大はせず、全体をぐるぐる回して楽しむものなので、Z1のクオリティがあればまず問題ないでしょう。
団地の暗渠沿い桜でシータZ #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
さらに、THETA Z1には新たに絞り機構がつき、F2.1から5.6まで選べます。絞り優先AEも可能になったのですね。
もちろん高感度時の画質も上がり、ISO感度もISO6400まで上げられるようになりました。
夜や室内でのTHETAもOKです。
こちらはISO1600で撮った夜の神社です。一部を切り出しました。
動画は4Kに対応しています。
THETAで撮った画像は、theta360に上げて共有するほか、FacebookやLINEなど360度画像に対応したサービスでも見られますし、専用アプリ「THETA+」を使って一部を切り出したり、リトルプラネットを作ったりして全天球写真ならではの静止画を作り出して楽しむこともできます。
これは電話ボックスの中で撮影した画像をTHETA+でリトルプラネットに加工した写真です。
このように今までのカメラでは不可能な写真を撮れるのがTHETA。Z1でクオリティがぐっと上がったので本格的にカメラとして使えるレベルになりました。
ただ、その分価格も上がりました。 だいたいそれまでの上位モデル「THETA V」の2倍ちょっと。
でも考えてみてください。1/2.3型センサーを積んだコンデジと1型センサーを積んだハイエンドコンデジの価格差もだいたいそのくらいなのです。そう思えばメチャ高いわけでもありません。
ちなみに、全天球カメラの世界には、お手軽に楽しめる3〜5万円前後の「THETAクラス」の機種がいくつかあり、その上になると2〜30万円のプロ向けクラスになっていたのです。プロ向けの製品は複数のカメラを組み合わせた製品で、ハイクオリティですが非常に高価で、趣味で手を出すには辛い世界でした。
THETA Z1はちょうどその間を埋める製品なのです。全天球パノラマのプロじゃなくても、ワンショットでハイクオリティな全天球画像を撮れると思うと、欲しくなりません?
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老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。