もはやすっかり身近な足として定着した「電動アシスト自転車」。「電動自転車」と略す人が多いのですが、「電動自転車」だと「ペダルでもモーターだけでも走れる自転車」も含む(こちらは原付の免許が必要)ため、できれば「電動アシスト自転車」ときちんと呼びましょう。
電動アシスト自転車は、ペダルと漕ぐとその力に応じてモーターがアシストしてくれるため、漕ぎ出しが軽くなり、上り坂もらくらく上れるという優れた製品。
法律上、速度が上がると徐々にアシスト力が弱まり、時速25kmで完全にアシストが切れてしまうため、高速で移動するよりはちょっとした日常の移動に向いています。
現在、電動アシスト自転車は大きく3つの用途に分かれます。
1:ファミリータイプ:子乗せ・買い物向け
一番大きな市場は、親子や買い物向けのファミリーモデル。
チャイルドシートを装備して子どもを乗せても、安定して走ることができ脚力も使わなくて済むため、もっとも大きな需要を持っています。特に坂道が多い街での子どもの送り迎えや買い物には欠かせなくなっています。
頑丈に作られているので、前後に長く重量も重め。走っているときはよいのですが、チャイルドシートを乗せると重くて大きいため、駐輪場など狭い場所での取り回しに苦労するかも。重量は30kg前後を覚悟しましょう。
2:シティタイプ:通勤通学・街乗り向け
二番目は通勤通学などの足となる街乗り向けのスタンダードタイプ。子どもを乗せる機構が不要なため重量も価格的も抑えられており、普段使いにおすすめです。
学校や駅への行き来に自転車を使っている人、特に坂道が多い場所に住んでいる人におすすめ。
電動っぽくないおしゃれなデザインの自転車もあります。重量は25〜30kgくらい。
3:スポーツタイプ:サイクリング・スポーツ・休日のレジャー向け
三番目は最近出てきた、スポーツ仕様の電動アシスト自転車です。漕ぎ出しや斜面などアシストが必要なところではモーターを使い、高速走行時はアシストなしで走れるよう、全体に軽量化が図られ、スポーツ自転車用のパーツを使って快適な走りを追求しています。
本格的にスポーツとして走る人向けから、休日のレジャーで自転車散歩したいという人、車に積んで出かけ、現地で移動するのに使いたい人など、自転車を使ったレジャー向けのタイプともいえましょう。
では、それぞれ3つのタイプから代表的な自転車を紹介しましょう。ファミリータイプから順に行きます。
1:ファミリータイプ
パナソニック ビビ・SX BE-ELSX63
見た目は実用車そのまま。シンプルで低価格ながらチャイルドシートも装着可能なベーシックモデル
ショッピング向けのシンプルな自転車で10万円以下と低価格。電動アシストの走行距離は短め(オートモードで約30km)なので近距離移動用と割り切って使いたい。チャイルドシートにも対応。
※本文内の価格情報は2018年6月11日時点での価格.comの最安価格です。ヤマハ PAS Babby un PA20BXL
チャイルドシートやカゴを家族構成に合わせてカスタマイズできる便利なファミリーモデル
元祖電動アシスト自転車がPAS。小さめの20インチタイヤで重心も低いため身長が低くてもOKで安定性も抜群。標準モードで約50kmとアシストレベルも高い。チャイルドシートは前後に装着可能だ。
※本文内の価格情報は2018年6月11日時点での価格.comの最安価格です。ブリジストン ビッケ ポーラー e BP0C49
低重心で幼児2人同乗可能なファミリーモデル。ハンドルの間にフロントチャイルドシート装着済
またぎ安くて乗り降りが楽な低いフレームとサドルが特徴。チャイルドシート付なので幼児を乗せるのに最適だ。カラバリも豊富で、おしゃれに乗りたいお母さんに。
※本文内の価格情報は2018年6月11日時点での価格.comの最安価格です。2:シティタイプ
ヤマハ PAS mina PA26M 2018年モデル
北欧テイストデザインのシティサイクルでアシストも標準モードで58kmと十分
真鍮のベルなどディテールに凝っているほか、オプションでカゴも用意されており、日常のちょっとしたお出かけや通学向け。
※本文内の価格情報は2018年6月11日時点での価格.comの最安価格です。ブリジストン アルベルトe B400 S型 AS7B48
ブリジストンならではのベルトドライブ+両輪駆動で安定した走りを約束する通学向けモデル
一見普通のシティサイクルだが、前後にモーターを持つ両輪駆動+回生ブレーキ、前輪のモーターブレーキ、磨耗がないベルトドライブなどハイテク感満載。毎日の通勤通学を快適にする自転車。
※本文内の価格情報は2018年6月11日時点での価格.comの最安価格です。PAS CITY-X PA20CX 2018年モデル
直線的なXフレームが特徴のミニベロ車で20型でコンパクトなためちょっとした外出向け
女性向けデザインが多い電動アシスト自転車の中で、小径ながら渋いデザインが特徴。高めのギヤ比+ストレートハンドル、スポーティサドルで気持ちよく走れるのが特徴。
※本文内の価格情報は2018年6月11日時点での価格.comの最安価格です。3:スポーツタイプ
ヤマハ YPJ-C
フラットバーロードの電動アシスト版というべき本格派。本気で走りたい人にぴったり
バッテリーが小さいため持続時間は短く、漕ぎ出しと上り坂以外はアシストなしの人力で、という走りたい人のための斬新なバイク。前後で外装変速18段の本格派で重さも16kgと十分軽い。
※本文内の価格情報は2018年6月11日時点での価格.comの最安価格です。BESV PS1 ADV
小径車ながら日本車にはない斬新なデザインがいい。走りも10段変速でスポーティ
直結リアハブモーターで後輪を直接アシスト。小径車ながら10段変速を持ち、サスペンションも搭載。フレームと一体化して目立たないデザインのバッテリーもいい。少々値は張るが、斬新。
まとめ
一昔前の電動アシスト自転車は容量の割に重いニッケル水素充電池を使用しており、漕ぎ出し時のアシストも加減も微妙で勢いよく漕ぐと前輪が浮きそうになったりしたものです。しかし、今はすべて高容量のリチウムイオン充電池に変わり、アシストのバランスも非常にこなれてきました。また、様々なタイプの電動アシスト自転車が登場しています。
男女問わず、自転車での移動が多い人はそろそろ考えてみてもよいでしょう。スポーツタイプでしたら、かなり遠くまで気持ちよく走れます。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。