・【家電のプロが解説】大型家電の買い替えサインとメリットを知ろう!Part1
・【家電のプロが解説】大型家電の買い替えサインとメリットを知ろう!Part2
・【家電のプロが解説】大型家電の買い替えサインとメリットを知ろう!Part3
・【家電のプロが解説】大型家電の買い替えサインとメリットを知ろう!Part4
皆さんは、今の冷蔵庫を購入したのはいつだったか、覚えていますか?冷蔵庫をはじめとする大型家電は、引越しや故障による交換が発生しない限り買い替えることがなく、気付けば使い続けてかなりの年数が経っている方も多いのではないでしょうか。
冷蔵庫の買い替えサイクルは、内閣府の「消費動向調査(令和6年3月実施調査結果)」によると14年となっており、定期的に買い替えることがメーカーからも推奨されています。とはいっても、高額な買い物になるので、慎重になるのも事実。中には、今の冷蔵庫が気に入っているから変えたくないという方もいるでしょう。
そこで、冷蔵庫を買い替えるサインや買い替えることのメリットについて、雑誌や新聞など様々なメディアでご活躍中の”家電王”こと中村剛さんにお聞きしました!
全4回シリーズ、今回は最終回となるPart4をお届けします。
より長く経済的に使うために!冷蔵庫の正しい使い方とは
(編)冷蔵庫を使用する上で気を付けたらよいポイントがあれば教えてください。
(中)せっかく冷蔵庫を買い替えるのであれば、より長く、経済的に使っていただきたいですね。今日から始められる5つのポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
①食材は“逆コの字型”に整理
(中)1つ目のポイントは庫内を”逆コの字型”に整理することです。冷蔵庫に食材をしまうとき、どのように入れていますか?
(編)すぐ使うものは手前に、保存のきくものは奥に入れるくらいでしょうか。
(中)真ん中の中央部分は一番目に留まりやすく手にしやすい場所なので、ほとんどの方が何かしらの食材を入れています。でもおすすめは、冷蔵庫の中心部を空けて壁際に沿って配置する置き方です。私は”逆コの字型”と呼んでいます。
(編)逆コの字型!でもなぜ真ん中を空けるのでしょうか?
(中)理由は2つあります。1つ目は、冷蔵庫の構造上、真ん中を空けることで庫内に冷気が循環しやすくなり、結果として少ない電力エネルギーで効率的に庫内を冷やすことができるためです。そして2つ目は、逆コの字型に配置することで、庫内に入っている食材が一目で把握できるようになるためです。
(編)たしかに、いつ買ったかわからない消費期限切れの食材が、冷蔵庫の奥から出てきたことがあります。
(中)庫内を整理して何が入っているかを把握することで、ムダに買うことも捨てることもなくなりますから、結果としてフードロス削減にもつながります。そして、逆コの字型に置こうとすることで、必然的に入れられる物量も減りますから、買い物をするときの衝動買いも減るかもしれません。庫内を冷やす電力エネルギーも少なくて済むので、もちろん節電にも繋がりますよ。
②冷蔵庫内はゆとりをもって、冷凍庫内はパンパンに
(中)続いてのポイントも、同じく庫内の収納方法についてです。冷蔵庫と冷凍庫、それぞれどのくらい食材を詰め込んでいますか?
(編)我が家は冷蔵庫も冷凍庫もパンパンです。でも、先ほどのお話からすると、詰め込みすぎるのは良くないのではないでしょうか。
(中)冷蔵庫に関しては、先ほどお話したように、庫内にゆとりを持たせることで冷気が循環します。ただし、冷凍庫はその逆で、実はパンパンに収納したほうが冷却効率があがります。
(編)えっ、そうなんですね!
(中)もし冷凍庫に入れるものが少ない場合は、保冷剤などを活用するのも良いですね。
③食材は新鮮なうちに小分けにして冷凍
(中)これまでの2つのポイントにも関連しますが、食材を小分けにして新鮮なうちに冷凍することが3つ目の改善ポイントです。
(編)たしかに、買ってきた食材を冷蔵庫に入れたまま放置するよりも、冷凍したほうが冷蔵庫にはゆとりができて、冷凍庫はパンパンになって、更には食材の劣化も防げますね。
(中)もちろん、冷凍に適さない食材もありますから、なんでも冷凍するわけにはいかないでしょう。それでも、多くの野菜や肉、魚は冷凍可能ですから、ちょっとしたひと手間を習慣化できると良いですね。
(編)適当に冷蔵庫に入れてしまっていましたが、これだけメリットがあると分かったので、少しずつ実践に移そうと思います。
④庫内の温度設定を調節
(中)次に、庫内の温度設定についての改造ポイントをお伝えしましょう。冒頭にも少し触れましたが、だいたいの冷蔵庫には「弱」「中」「強」のメモリがついています。これを「弱」や「中」に切り替えることで節電に繋がりますよ。資源エネルギー庁によると、設定温度を「強」から「中」にした場合、年間で61.7kWh節電でき、電気代に換算すると約1,910円の差になります。
(編)それは結構な差ですね!でも、年中通して同じ温度設定で問題ないものでしょうか?
(中)夏場は「中」~「強」にした方が良いですが、そのほかの季節は「弱」~「中」で問題ないですよ。
(編)設定を変えるだけでよいのでまさに今日からできますね。今日、自宅に帰ったら早速確認します。
⑤ドアパッキンの劣化をチェック
(中)最後のポイントは、ドアパッキンの劣化をチェックして、必要に応じて交換することです。
(編)ドアパッキンって自分で交換できるものなんですね。
(中)できますよ。あくまでも自己責任ですが(笑)、家電量販店で取り寄せることもできますし、ネットで買えることもありますから、ご自宅の冷蔵庫の型番を控えておきましょう。
(中)ドアパッキンには、冷蔵庫を閉めたときに隙間ができるのを防ぐ役割があります。開閉を重ねるうちにパッキンが劣化して隙間ができると、庫内の冷気が逃げてしまいます。名刺や薄い紙を挟んでドアを閉めてみて、紙が滑り落ちてしまった場合には、交換することをおすすめします。
冷蔵庫の買い替えサインとメリットを知って、賢く買い替えを検討しよう
(編)中村さん、冷蔵庫の買い替えのサインからおすすめの最新家電、さらには冷蔵庫の賢い使い方まで、幅広く教えていただき、ありがとうございました。冷蔵庫は毎日必ず使うものですし、思った以上にちょっとした工夫で省エネやフードロス削減にもつながることを知って勉強になりました。
(中)冷蔵庫って高い買い物ですよね。そして、日本がものを大事に使う文化圏ということもあって、皆さん壊れるまで頑張って使います。結果的に、壊れてから慌てて下調べせずに買いに行き、つい値段だけで選んでしまいがちです。ただし、値段の影にはさまざまな理由が潜んでいますので、事前に情報収集してから買いに行っていただきたいですね。そして、冷蔵庫の開け閉めよりも、衛生面やフードロス削減などを意識して使っていただければと思います。ちなみに東京都では「東京ゼロエミポイント」という取り組みがされていて、2024年9月までに冷蔵庫を買い替えると一部キャッシュバックになります。さらには10月からは、15年以上経過したエアコン、冷蔵庫の買い替えにはさらに上乗せポイントが付くようになりますので、買い替えには良いタイミングかもしれません。対象条件などの詳細は、事前に東京都のサイトを確認の上、検討してみてください。東京都以外の方も、お住まいの自治体や国に補助金があるかもしれないので確認してみてください。
家電王の中村さんからのアドバイスはいかがでしたでしょうか。
冷蔵庫を買い替えることで、節電効果はもちろん、QOLアップも期待できます。愛着が湧いてなかなか変えられない方も、アドバイスを参考に買い替えや買い足しを検討してみましょう。
また、引越しを機に買い替えをご検討されている方に、おすすめのサービスがあります。
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東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務
2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王“として動画マガジン『くらしのラボ』をYouTubeとFacebookで毎週配信している他、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報発信をしている。 無類のネコ好き!