T7 TouchはUSB 3.2 Gen2で使おう
SSDといえば気になるのが性能。USB 3.2 Gen2対応で、シーケンシャルリードが最高1,050MB/sec、ライトが1,000MB/secとなってます。今までの一般的なSSDは500MB/secクラスだったので2倍になっているということですね。
ではちょいと簡単なテストを。
まず大事なのは、パソコン側。
USB 3.xの規格はちょいとややこしいことになっていて、かつてのUSB 3.0はUSB 3.1 Gen 1という名になり、さらにUSB 3.2 Gen 1となりました。この3つは同じなので、USB 3.0対応のパソコンならUSB 3.2 Gen1です。最高5Gb/sec(625MB/sec)。
で、従来のUSB 3.1 Gen2は今はUSB 3.2 Gen 2と名前を変えています。こちらは最高10Gb/sec(1250MB/sec)と2倍の速さに対応しています。
で、テストに使ったiMac 2019年モデルは、USB Type A端子がUSB 3.1 Gen 1(USB 3.2 Gen 1)、USB Type-C端子がUSB 3.1 Gen 2(USB 3.2 Gen 2)になっていますので、両方の違いを比べられます。
それぞれにつないで、ベンチマークテストアプリをかけてみました(Black Magic Disk Speed Test)。
ちなみに、旧世代のSSD(サンディスク Extreme 500)も手元にあったので測ってみましたら、リードが約390MB/sec、ライトが約300MB/secでした。
つまり、パソコン側がUSB 3.1 Gen1(USB 3.0、あるいはUSB 3.2 Gen1も同じ)までの対応であれば、旧世代のSSDと速度は変わりません。
でも、USB 3.1 Gen2(USB 3.2 Gen2も同じ)に接続すると、その威力を発揮します。
T7 TouchをiMacのUSB Type-C端子につないでテストしたところ、読み書きともに800MB/sec越え。
確かに、ほぼ2倍。これは速い!
つまりT7 Touchを使うなら、USB 3.1 Gen2(USB 3.2 Gen2)で使え、が結論です。接続するUSBの規格が違うだけで、ほんとに速度が2倍違います。
ちなみにHDDはリードで約145MB/secですから、最新のSSDを見ちゃうと、HDDって遅いメディアになっちゃったんだなあと思います。
実用的なところでデジカメで撮った写真をT7 Touchにコピーするのにかかる時間で比較しようと思ったら、SSDに対してSDカードの読み込み速度が遅くて(使ったのは最高150MB/secのものだったが)そっちに足を引っ張られてしまいました。まあそうですよね。
でも、より高速なXQDカード(読み込み速度が約440MB/sec)からのコピーだと、思い切り速さを実感できます。HDDへの転送で70秒以上かかったところが、T7 Touchへの転送だと約15秒。
この高速なストレージをどう使う?
1世代前のSSDでも十分速いといえば速いのですが、より高速になることで何が快適になるか。
読み書きが頻繁に行われる作業や、写真や映像の管理・編集でしょう。
いまどき、RAWで撮った写真は1枚20MBとかになりますから、そんな写真を大量にブラウズしてセレクトするなんて作業にはストレージの速さがすごく大事です。
4K動画ならなおさら。長い動画を編集して書き出すとなるとストレージの速さが効いてきます。
ただ、大量の写真や映像を全部T7 Touchに保存していくと、コスト的にかなり大変。わたしでも1年に1TB以上は写真を撮りますから、プロの写真家や映像作家の方だともっと多いわけで、アクセスが多い直近の写真や映像(1年分とか)にだけT7 Touchを使い、終わったらローカルのHDDやNASへアーカイブしていくという運用がいいかなと思います。
もし、今使ってるパソコンの起動ドライブがHDDだったら、T7 Touchを起動ドライブにすれば起動もいろんな処理も速くなって快適になるはず。
Android機でも使えるので大きなデータをT7 Touchに入れて持っていき、現場でAndroid機とつないで使うというのもアリでしょう。
※本文内の価格情報は編集部調べの参考価格です。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。