とうとう「3眼」×「AI」の進化型カメラ登場
P20 Proの特徴は何はともあれ「3連のカメラ」。続いて、AI対応や6.1型のOLED(有機EL)モニタ、ハイレゾ対応や防水とFelica対応というハード面でしょう。
まずはカメラから。アウトカメラはとうとうトリプルに。モノクロカメラとメインカメラと望遠カメラです。
モノクロカメラは従来通り、モノクロモード撮影時の他にメインカメラの画質向上やワイドアパーチャやポートレートモード時の距離測定に使います。
1/2.8インチのイメージセンサーでレンズは35mmフィルム換算で27mm相当のF1.6。画素数は2000万画素。
メインカメラのレンズは35mmフィルム換算で27mm相当の広角でF1.8。1/1.7インチという大きなセンサーを搭載し(一般的な普及型コンデジより一回り大きい)、画素数はなんと4000万画素です。
もうひとつ望遠カメラは1/4.5インチと小さなセンサーを搭載。この厚みで35mmフィルム換算81mmという中望遠を実現するにはセンサーサイズを小さくする必要があったのでしょう。F2.4で約800万画素です。
この3つを組み合わせて撮影します。どう組み合わせるかはカメラ側が自動的に判断するのでまかせましょう。
撮影した出力画素数は1000万画素が基本。4000万画素モードを選ぶといろいろと制限がつくので、1,000万画素モードで撮ることを勧めます。
もはや「イメージセンサーの画素数」と「実際に出力する画素数」は一致する必要はない時代です。内部の画像処理が高速・高度化したことで、最適な画像を作り出して使う、と考えましょう。
画質はさすがのHUAWEI+Leicaレンズ。
では撮ってみましょう。メインカメラで撮影したときの画像は非常に鮮やかできれいです。
望遠カメラはイメージセンサーが小さい分画質がやや落ちますが、屋外で撮影してWebで公開する分には問題ないレベルです。
カメラアプリの「1x」と書いてあるところをタップすると、「1x」→「3x」→「5x」と切り替わります。
5x時はハイブリッドズームと呼ばれます。
4000万画素のメインカメラの情報と800万画素の望遠カメラのデータを元に1000万画素の画像を生成するので、5xまでは一般的なデジタルズームに比べて高画質な絵を作れる、と考えましょう。
もうひとつの特徴はAI搭載。
カメラにはいくつかのモードがありますが、設定で「マスターAI」をオンにし「写真」モード(フルオートになる)でカメラを向けると、AIが働いて19のシーンを自動認識します。
シーン自動認識自体は以前からデジカメの世界では当たり前の機能で30個や40個のシーンの自動認識は普通に行われていますから19という数自体にインパクトはありませんが、それがAIによって行われていることと、スマートフォンでよく撮る被写体を念頭に置いたシーンになっていること、シーンを判別するのみならず、被写体によっては特殊な撮影もしてくれる点が注目。
19個のシーンはHUAWEIのサイトによると
上記の19シーンです。
犬と猫を判別してくれるところなんかペットを撮ることが多いスマートフォンらしいところ。シーン判別が完了するとちゃんとどのシーンだと判断したか表示されるのがよいところです。
アジサイはきちんと「花」と判断されました。
さらに文書を見つけると自動的に「文書スキャン」モードになって文書を枠ごと切り取ってくれます(それがいやなときは文書スキャンモードをさっとオフして撮る)。斜めから撮ってもまっすぐに。
料理もよく使うシチュエーションですね。観光地のお団子もちゃんと料理認識しました。
人物を見つけると自動的に「ポートレート」モードに切り替わり、ビューティーレベルの調整や3Dライティング、芸術的背景ぼかしを使えます。
撮影モードはお馴染みのアパーチャの他いろいろ用意されていますが、AIのおかげでほとんどのシーンは「写真」モードのままでいけそうな感じ。
ただ、「アパーチャ」と「夜景」モードだけは手動でセットして使いましょう。
お馴染みの「アパーチャ」はカラーとモノクロの2つのカメラで撮った絵の微妙なずれを使って前後関係を計算し、背景をボカした写真を撮る機能。
今までのHUAWEIの端末と違うのは、3x望遠時でもアパーチャ機能を使えること。
もうひとつは「夜景」。
AIなどデジタル技術を駆使した夜景撮影をしてくれます。夜景モードで撮ると約4秒(暗さによってもっと長かったり短かったりしますが)かけて撮影します。
といっても4秒の長時間露光をしているわけではなく、その間に露出などを変えながら何枚も連写してるわけです。それを合成して1枚の写真にすることで、キレイな夜景写真を撮るというワザ。撮った写真を見ると、シャッタースピードが「4秒」と出ますがそれはちょっと設計側のミスかなと思います。
撮った写真を見るとノイズも少なく、明暗もしっかり出ててかなり高画質。三脚なしでこれが撮れるのはすばらしいことです。
動画は4K動画もサポートしてますが、手ブレ補正など各種機能が効くのはフルHDの30fpsなので普段はそれにしておくのがいいでしょう。
インカメラは2400万画素に進化。
インカメラ時もポートレートモードと同様に3Dライティングや芸術的背景ぼかしなどを使えます。
老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。