伝説のリズムマシンを回路の動作特性まで精密に再現
1980年代以降に隆盛を極めたヒップホップやハウス、テクノなどの音楽シーンにおいて、「TR-808」や「TR-909」をはじめとするローランドのリズムマシンは、アナログ回路から生み出される重厚な低音、機械的ながら独特なグルーブ感、望み通りのリズム・パターンを作成できる自由度などが評価され、革新的な楽器として多くのアーティストに愛用されました。
「TR-8S」は、オリジナル機設計当時の仕様書や実際の回路を徹底的に解析し、単なる音色の複製にとどまらず、アナログ回路特有の振る舞いまでを、独自技術「ACB(Analog Circuit Behavior)※」により細部まで精密に再現しています。
※ACB(Analog Circuit Behavior):アナログ時代の電子楽器を、最高の状態で現代に蘇らせるローランド独自の技術です。従来のモデリング手法とは大きく異なり、オリジナル製品の設計図からアナログ・パーツひとつひとつの特性を丁寧に解析して再現。解析したパーツを、当時の設計仕様と同様に組み合わせることで、動作時の回路の振る舞いによる音色特性までを精密に表現します。さらに、「AIRAシリーズ」に搭載している膨大な演算能力を持つ最新DSPにより、当時の電子楽器では物理的に不可能だった高次元のパフォーマンスを可能にしています。
また、当時のシリーズ代表機種である「TR-808」「TR-909」のほかに、「TR-606」「TR-707」「TR-727」という個性あふれるラインアップもACBで再現。伝説のリズム・サウンドを存分に使って音楽制作を行えます。
TR-808
1曲分のリズムを自由に作成できる画期的なリズムマシンとして1980年に発売。当時のミュージシャンやプロデューサーの音楽制作に大きな影響を与えました。歯切れのよいスネア、重低音のバス・ドラム、特徴的なカウベルやハンドクラップ(手拍子)など、その独特なサウンドは、発売後30年経った今もなお、根強く支持されています。
TR-909
1983年に「TR-808」の後継として登場した、アナログとデジタルのハイブリッドな音源による個性的なサウンドが特長のリズムマシン。1980年代後半から隆盛したハウスやテクノなどのダンス音楽において欠かすことのできないものとなり、現在も多くのアーティストに愛用されています。
好みのサウンドを取り込み最先端のリズム・トラックを創り出す
「TR-8S」は、「TR-808」をはじめとする往年のサウンドのみならず、300種類以上の最新のサウンドを搭載。さらに、ユーザー自身で用意したオーディオ・ファイルを本体にインポートし、音源として使用可能です。これらの音色は、自由に組み合わせてオリジナルのドラム・キットを自由に構築でき、個性あふれるリズム・トラックを作成することができます。
また、バリエーション豊かなリズム・パターンも多数内蔵。テクノ、ハウスなどのオーソドックスなスタイルはもちろん、最新のEDMまで、さまざまなダンス・ミュージックを創り出します。
「TR-8S」は、ダンス・ミュージックで重要な曲へのアクセントもスムーズに加えることができます。本体のつまみを操作して、音色ごとにチューニング(音程)やディケイ(音が減衰するまでの時間)をリアルタイムで変化させることが可能。パートごとに用意されたコントロールつまみには、任意のパラメーターを割り当てることができ、例えば、スネアの響き方や、バス・ドラムの立ち上がりなどを調整できます。また、内蔵エフェクトのパラメーターも割り当てられるので、ディレイ(エコー)やリバーブなど、多彩なエフェクトを駆使した音色変化を楽しめます。さらに、瞬時にテンポの変更や、リバース(逆方向)再生も可能。インポートしたオーディオ・ファイルも含め、すべての音色にあらゆる効果をシームレスにかけることができ、ライブ・パフォーマンス時にインパクトのある演出が可能です。
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トリセツ編集部 編集長。トリセツの広報としてプロモーション業務とメディア運営を手がける。また各方面でプロモーション、デザイン等の業務に携わっている。