【連載】カメラのトリセツ〜基礎から理解するカメラ講座〜【第6回】

一眼レフかミラーレスか、それが問題だ (1/2)

2018.10.28
トリセツ編集部/荻窪圭
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最近は、スマートフォンで写真の面白さに目覚め、もっといい写真を撮りたいとレンズ交換式カメラ、つまり「デジタル一眼」に手を出す人が増えているといいます。

では最初に何を買うか。

「デジタル一眼」と一口にいっても、フィルム時代から続く伝統的な機構を持つ「デジタル一眼レフ」と、デジタルカメラならではの新しい機構を持つ「ミラーレス一眼」の2種類があります。まず、どちらを選ぶか悩む人は多いでしょう。ここは悩んでしかるべきですし、むしろ悩め、って感じです。

日本においてはミラーレス一眼がぐっと伸びてきて、さらにニコンとキヤノンが本格的にミラーレス一眼に参入した今、一番悩めるときかもしれません。

そこで今回は、一眼レフvsミラーレス一眼11番勝負、といきましょう。

一眼レフvsミラーレス一眼11番勝負

その前にひとつだけ両者の違いをわかりやすく写真で示しておきます。だいたい両者の特徴が一発でわかるでしょうから。

ニコンが先日発表したミラーレス一眼の「Nikon Z 7」とニコンの主力一眼レフ「D850」のカットモデルです。

真ん中ですぱっとカットして断面図を見せているものですね。

これが実にわかりやすいのです。ミラーレス一眼とデジタル一眼の本質的な違いはすべてこの写真で表せるといっていいくらい。

ではどうぞ。

上がミラーレス一眼、下が一眼レフ。
上がミラーレス一眼、下が一眼レフ。イメージセンサーサイズは同じ。厚みが全然違うのがわかります。
デジタル一眼レフの内部
デジタル一眼レフの内部。ミラーボックスがない分イメージセンサーがすごくレンズの近くにあり、全体に薄く収まっているのがわかります。

この図を念頭に置きつついきます


1:どっちが大きいの?

両者の差が大きく出るのは「厚み」と「重さ」。

カットモデルを見比べると分かるとおり、一眼レフは「ミラーボックス」や「ペンタプリズム」などがある分、確実に「分厚くなります」。「小さな一眼レフ」(たとえばキヤノンのKiss X9はかなりコンパクトです)は作れますが、「薄い一眼レフ」は無理です。

もうひとつは重さ。

一眼レフはだいたい「400gから1.5kg」、ミラーレス一眼は「300gから650g」くらい。

同等ランクの製品なら「ミラーレス一眼の方が軽い」といえます。


2:どっちが高画質?

一眼レフかミラーレス一眼かは画質とは関係ありません。

画質の差は一眼レフかミラーレス一眼か、ではなく、イメージセンサーのサイズや性能、レンズ性能など他の要素に左右されます。

画質を追求したいなら、一眼レフかミラーレス一眼か、ではなく「イメージセンサーサイズ」に注目しましょう。

現在、一眼レフには「35mmフルサイズ」と「APS-C」の2種類が、ミラーレス一眼には「35mmフルサイズ」「APS-C」に加えて、「マイクロフォーサーズ」の3種類があります。

いずれにせよ、コンパクトデジカメやスマートフォンより遥かに高画質です。


3:AFはどっちが速い?

これは難しい問題です。なぜなら、製品による差が大きいからです。

「ファインダーを覗いて撮る」場合。

一眼レフは「速い〜超速い」のどこか。

ミラーレス一眼の場合は「速くない〜超速い」のどこか。

と思っていいでしょう。一眼レフは先ほどの図の通り、「専用のAFセンサー」を持っていますから、低価格のモデルでもそれなりに速いAFが可能です

ミラーレス一眼の場合、機種による差があります。特にエントリーモデルには速いものもあればそれほどでもないものもあります。

続いて「背面モニタ」を使って撮る場合。一眼レフでは、「ライブビュー撮影」と呼んでいますね。

一眼レフは、ライブビュー撮影時にはAF専用センサーが使えないため、AFはちょっと落ちます。







4:AF性能はどっちが良い?

AFって速ければいいわけじゃありません。

ちゃんと撮りたいところにピントが合ってくれるか、の方が大事です。

一眼レフはAF専用センサーを持っていますが、その性能はコストに直結します。つまり、ハイエンド機とエントリー機で性能がかなり違います。特に測距点の数は明らかな差があります。

ファインダーを覗くと四角い測距点が現れますが、そこでしかフォーカスが合いません。よく見ると画面中心に固まってますよね。

一眼レフの測距点
一眼レフの測距点は画面中央あたりに集まっていて端っこにはありません。

ミラーレス一眼は機種にも寄りますが、測距点の数が格段に多く、しかもイメージセンサーが捉えた映像をそのまま使えますから「顔検出」も得意です。


5:MF性能はどっちが良い?

マニュアルフォーカスを使うならミラーレス一眼か、一眼レフのライブビューがおすすめ。

モニタ上で「拡大表示」できるのでピンポイントでフォーカスを合わせられます。

光学ファインダーでマニュアルフォーカスを使うのはかなり撮り慣れた人じゃないと難しいかと思います。


6:連写に強いのはどっち?

単純にスペックを見てみましょう。

一眼レフの最高峰としてプロのスポーツカメラマンが使う、キヤノンのEOS-1D X MarkIIやニコンのD5を見てみましょう。連写速度は秒12〜14コマです。

逆にエントリー機ですと、秒5コマくらい。

ミラーレス一眼の場合、AF追従で秒20コマというカメラもありますが、これは「電子シャッター」を使った場合。メカシャッター(一眼レフの連写はメカシャッターです)ですと、秒5〜10コマくらいと、一眼レフとあまり変わりません。

連写性能を重視するなら、一眼レフにしろミラーレス一眼にしろミドルクラス以上のモデルにしましょう。

ミラーレス一眼で連写
ミラーレス一眼で連写した馬術競技。このくらいならミドルクラス以上のデジタル一眼で撮れます。


荻窪圭
【デジカメライター 荻窪圭】

老舗のデジタル系フリーライター兼カメラマン。パソコン雑誌のライターだったが、今はカメラやスマホが中心、ときどき猫写真家になる。「iPhoneカメラ講座」「這いつくばって猫に近づけ」など連載中。近著は「東京古道探訪」。歴史散歩ガイドもやってます。