ここ最近カメラ界隈では、ニコン Zシリーズやキヤノン EOS R、パナソニックのフルサイズ機の噂など、フルサイズミラーレス機の話題で盛り上がっている。そんな中、富士フイルムがAPS-Cサイズのセンサーながら、その性能は他のフルサイズ機を凌駕している?かもしれない「FUJIFILM X-T3」を発表した。
特に動画性能においては、4K 60P、10bit、HDR(2018年中ファームウェアアップデート対応)対応などパナソニック GH5同等の性能を積んできた。手ブレ補正はないものの、価格がボディ185,000円前後とコストパフォーマンスにも優れた機種となっている。
デザイン
デザインはX-T2の流れをそのままに、ベースプレートを採用し操作性を改善したダイヤル形状となっている。3.5mmヘッドホンジャックを追加し、端子類のカバーは取り外し可能となっている。
センサー&プロセッサー
Xシリーズ第4世代となる、裏面照射APS-Cセンサー「X-Trans CMOS 4」を搭載。2610万画素を誇り、高いS/N比を実現。また光学ローパスフィルターレスでモアレや偽色を制御し、常用感度がISO160〜ISO12800となった(拡張時はISO80〜51200)。読み出し速度は「X-T2」と比較した場合、約1.5倍高速となった。
画像処理エンジンは「X-Processor 4」へと進化し、高速処理と高い演算能力を誇る。処理速度は「X-T2」と比較した場合、約3倍高速となった。
連写性能
センサーからの読み出し高速化とプロセッサーの高速処理により最大11コマ/秒、電子シャッター時には30コマ/秒となる。さらに、電子シャッター特有のローリング歪みは従来比で約半分に低減している。
オートフォーカス
位相差AFエリアは画面全体(100%)に拡大。画面端にある被写体も高速・高精度に捉える。また、AFの低輝度限界を-3EVへ拡張。ロウソクの光のような光量の少ないシーンでも高速AFが可能。
動く人物への顔認識はAF性能は従来の約2倍に向上、瞳AFはAF-Cにも対応。顔の正面から横顔までしっかりとピントを合わせることができる。
動画性能
APS-C機では世界初となる4K/60P 10bitのカード内記録(4:2:0のみ4:2:2 10bitはHDMI外部記録)対応。H.264・MPEG-4・AVCに加え、高い圧縮率を誇るH.265/HEVCに対応。更にALL-Intra 400Mbpsでの収録。4K/60P 4:2:2 10bit HDMIと4K/60P 4:2:0 10bit カード内同時出力に対応。X-H1で搭載されたフィルムシュミレーション「エテルナ」を搭載するなど高い動画性能を誇る。
クロップ | 10bit | 最大 ビットレート |
カード内 記録 |
連続 記録時間 |
|
---|---|---|---|---|---|
4K/60P | 1.17倍 | 対応 | 200Mbp | 対応 | 20分 |
4K/30P | なし | 対応 | 400Mbp | 対応 | 29分59秒 |
FHD | なし | 対応 | 200Mbp | 対応 | 29分59秒 |
FHD/120P | 1.29倍 | 対応 | 200Mbp | 対応 |
さらに、2018年中のファームウェアアップデートで4K HDR撮影機能を搭載予定。F-Log同時出力の対応も予定しており、今後も動画機能をますます拡張していく予定だ。
また、新たなノイスリダクション処理と「4Kフレーム間NR」によりISO12800でのノイズを約2段分低減。F-Log撮影時の最低感度をISO800からISO640へと引き下げた。
AFのアルゴリズムも一新。AF-Cにおけるトラッキング性能の向上と顔・瞳認識が動画撮影でも有効となった。また、高周波な被写体に対するAF-C性能も改善され、ウォブリング等の低減を叶えた。
まとめ
手ブレ補正はないものの、特に動画性能ではニコンやキヤノン、ソニーのフルサイズ機よりも高い性能を誇るのではないだろうか。
価格はボディが185,000円前後、レンズキット(XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS)が235,000円前後と、コストパフォーマンスにも優れている。
たしかにフルサイズ機も魅力ではあるが、本機はAPS-Cでも「ここまでできるのか?」と思わせる機種だ。
※本文内の価格情報は2018年9月7日時点でのAmazon.co.jpの価格です。
トリセツ編集部 編集長。トリセツの広報としてプロモーション業務とメディア運営を手がける。また各方面でプロモーション、デザイン等の業務に携わっている。