【レビュー】ポケットに130インチの大画面を持ち歩ける! サングラススタイルのARグラス『Xreal Air』

2023.12.22
トリセツ編集部/高島おしゃむ
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使う人に合わせた調整もある程度可能

普通のメガネでも、人それぞれ自分に合ったものを選んだほうがしっくりきますが、こちらの『Xreal Air』では製品の種類にバリエーションはないものの、自分に合ったスタイルに調整することができます。まずはノーズパッドですが、こちらはあらかじめ3つの大きさのタイプが付属しており、その中から自分に合ったものを選んで交換することが可能です。

筆者の場合は最初に付けられていたタイプではあまりしっくりこなかったため、一番大きいサイズのものに変更しました。

3種類のノーズパッドが付属しているので調整しやすい。
ノーズパッドはこのように取り付けることが可能。

また、テンプル部分は上下合わせて3段階で高さを変更することができます。手でクイッと簡単に変えられるので、自分に合った角度に調整するといいでしょう。テンプルの左右は調整はできないものの、ある程度広がりやすくなっているためこちらも装着しやすい印象でした。

指で曲げることで、テンプルの角度を3段階で変更可能。

『Xreal Air』はメガネの上から掛けて利用することはできないとは言えないものの、正直使い勝手がいいとはいえません、また、デバイス自体にピント調整などをする機能もないため、やや不便に感じる人もいると思います。そうした人のために専用の度付きレンズを取り付けることも可能です。

『Xreal Air』では、公式パートナーとしてJUN GINZAと提携を行っており、こちらで専用レンズを作ってもらうことができます。レンズ自体はノーズパッドに挟み込む形で取り付けられるため、1度作ってしまえばメガネを掛けることなくそのまま利用することができます。

筆者も普段はメガネユーザーなので、こうしたサービスを利用したかったのですが……残念ながら今回は短期間のレンタルということもあり見送りとなりました。

度が入っていないレンズを取り付けてみたところ。

「DP ALTモード」対応のAndroid端末やゲーミングUMPCはそのまま接続可能!

機能はともかく、『Xreal Air』ではそもそもどんな使い方ができるのでしょうか?具体的な利用例と注意点も合わせてご紹介していきます。まずは、付属しているUBSケーブルでデバイスと直接繋いで映像を観るという一番シンプルなパターンから。

こちらは、Android端末など「DP ALTモード」で映像出力可能なすべてのデバイスで利用することができます。Androidのスマートフォンでも、機種によっては「DP ALTモード」に対応していないものも多数あるため、あらかじめ対応しているかチェックしておく必要があります。また、最近発売されたSteam DeckなどゲーミングUMPCも、そのまま接続して映像を出力することが可能です。

Steam Deckとは直接接続してゲームをプレイすることができます。
少しわかりにくいですが、Steam Deckと接続している間は本体側のディスプレイは消え『Xreal Air』側にのみ映像が映し出されます。

ちなみに、筆者はiPhone 14 Proのため確かめることはできませんが、USB Type-Cに変更されたiPhone 15シリーズではそのまま接続してミラーリングで映像が楽しめるようです。それ以前の機種についてはこの後紹介する方法で接続することができます。

ゲーム機やLightningのiPhoneの映像が取り込める周辺機器の『XREAL Adapter』

今回のレンタルでは、『Xreal Air』単体ではなく『XREAL Adapter』もセットになった『XREAL Air(XREAL Adapter付属)』をチョイスしています。その理由は、『Xreal Air』で使えるデバイスの種類を大幅に増やすことができるからです。

『XREAL Adapter』には、HDMIケーブルを接続するための『HDMI アダプタ』も同梱されています。

具体的な例としては、PlayStation 5やNintendo SwitchのDOCKからの映像をHDMIケーブルで『XREAL Adapter』に接続し、さらにそちらを『Xreal Air』に接続することで簡単に映像を観ることができます。『Xreal Air』自体はDRMもサポートしているため、たとえばPlayStation 5の映像出力をコピープロテクトが掛かったDHCPで出力したものでも問題なく視聴することができます。

ためしにPlayStation 5でDVDやNetflixの映像を再生してみましたが、まったく問題なく視聴することができました。また、映像だけではなくゲームも全くラグを感じることなくプレイすることができます。

『XREAL Adapter』を利用することで、HDMI出力可能なデバイスの映像を取り込めるようになります。

iPhone 14シリーズまではインターフェイスにLightningケーブルが使われていましたが、そちらで『Xreal Air』を利用する場合は『XREAL Adapter』に加えて、アップルから販売されている『Lightning Digital AV アダプタ』を用意することで使えるようになります。

一番右側にあるのが、別売りの『Lightning Digital AV アダプタ』。

iPhoneの映像がそのままミラーリングで表示されるので、端末操作のみならず映像コンテンツも楽しむことができます。ちなみにNetflixの再生もできますが、ミラーリング中は端末側は映像は表示されず操作ボタンのみ表示されるようになっています。

iPhone 14 Proと接続したところ。
Netflixを再生中は、iPhone側は操作系のみ表示されます。

良かったところと気になったところ

さて、ひと通り機能や特徴をご紹介してきましたが、やはりなんといってもグラスを掛けるだけで大画面でゲームや映画などの映像を楽しめるのは素晴らしいところです。特に専用レンズなど自分が利用しやすいようにカスタマイズできるところも、ポイントといえます。

ARグラスの弱点のひとつに周辺が明るすぎると見えなくなってしまうということがありますが、こちらのデバイスにはあえて外部からの明かりをシャットアウトできるライトシールドが付属しており、そちらを付ければある程度解決することができます。

ライトシールドを取り付けたところ。

他のARグラスを使ったときに気になったのが、おでこの辺りがやけに熱くなったところです。しかし、この『Xreal Air』では、使用していて熱が気になるといったことはほとんどありませんでした。ためしにサーモグラフィーカメラでチェックしてみたところ、グラスの上部と左テンプル辺りに発熱が集中していることがわかりました。

30分程使用した後で、サーモグラフィーカメラで温度をチェックしてみたところ。

もう少しだけ頑張ってほしいと思ったところがサウンド面です。音質がいいとか悪いという話ではなく、スピーカーの配置位置なども関係しているのか、やや遠く聞こえるような印象を受けました。たとえば耳のあたりを「見ざる言わざる聞かざる」の「聞かざる」スタイルで覆い隠すことで、格段に音の聞こえが良くなります。このあたりは使い勝手の良さにも影響する部分ですが、ワイヤレスヘッドホンなどと組み合わせることで解決できる問題ともいえます。

ということで長々とレビューをお届けしてきましたが、前モデルとなってしまった『Xreal Air』でもまだまだ現役で使用することができるポテンシャルを持っています。こちらの『Xreal Air』は、4万4980円で販売中です。最新モデルの『Xreal Air2』よりも1万円安いので、なかなかお買い得の商品ともいえます。

なにはともあれ、1度はARグラスを体験してみたいという人はお店に足を運んでみるか、ドコモのレンタルサービスである「kikito」を利用するのもいいのではないでしょうか?

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高島おしゃむ
【IT&ゲームライター 高島おしゃむ】

コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者やドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年よりフリーで活動中。XRやPCなどのIT系やゲームをメインに、年間120本以上の取材をこなしています。
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