大画面テレビでスポーツ観戦やプロジェクターを使って大きなスクリーンで映画鑑賞など、いろいろと憧れる部分はあるもののどうしても日本の住宅環境もあり、なかなか実現しにくいところがありますよね。また、家族との兼ね合いで自分ひとりで大きなスクリーンを専有するのが難しいという場合もあります。
そうした問題を簡単に解決してくれる夢のようなデバイスが「ARグラス」です。ARグラス自体は各社からいろいろな製品がリリースされていますが、その中でも全世界累計20万台販売、もっとも売れたデバイスが『Xreal Air』です。
その最新モデルである『Xreal Air2』が10月16日に、その上位モデルである『Xreal Air2 Pro』が11月17日に発売されましたが、今回は既存モデルである『Xreal Air』のレビューをお届けします。
ちなみに今回は「kikito」と呼ばれるドコモが運営する家電レンタル・サブスクサービスを利用して、こちらの『Xreal Air』をレンタルしてみました。レンタルのプランとしては最低3ヵ月の月額サブスクと短期レンタルプランの2種類がありますが、今回は2泊3日の短期プランを選択してみました。実際どんな感じの製品なんだろう?と気になっている人や、お試しで使ってみたいという人にもオススメなので興味がある人は是非チェックしてみてください。
映像を楽しむためのサングラスタイプのデバイス
そもそもARグラスってVRと何が違うの?と疑問に思われる方も多いかもしれません。VRやAR、MRという技術はひっくるめて「XR」と呼ばれることもありますが、特にVRとAR、MRとでは大きな違いがあります。ものすごく簡単に説明すると、VRはすべてがCGで作られた世界の映像が楽しめるデバイスやコンテンツです。その分、作りあげられた仮想世界に自分が入り込んだかのような体験ができます。一方、ARやMRは現実世界にCGを重ねて表示するような技術です。
こちらの『Xreal Air』は、それらの中でも特に映像の表示に特化したものと思えばいいでしょう。もう少し簡単にいうと、PCのディスプレイのように映像を表示するために特化したデバイスに近いものになっています。そのため、この『Xreal Air』だけでは特別なコンテンツを楽しむことは基本的にできません(一部のAndroid端末で特別なコンテンツを遊ぶことは可能です)。
ARの特徴は現実世界にCGを重ねるものとご紹介しましたが、この『Xreal Air』は周りの世界が見える中で、ディスプレイを仮想的に表示して映像を楽しむことができます。イメージとしては、数メートル先に130インチの巨大スクリーンを見ているような感じです。しかも表示されているものはバーチャル世界であるため、例え部屋が狭くともまったく問題なく楽しめるところもポイントとなっています。
難しい操作は不要で誰でも扱いやすいデバイス
まずは、『Xreal Air』にどんな機能が盛り込まれているのかをご紹介していきます。前面側から見ると普通のサングラスのようなスタイルですが、その内側には最大60HzのマイクロOLEDを採用したレンズが取り付けられています。輝度は400nitsで鮮やかで鮮明な映像を楽しむことができます。
テンプル部分にはスピーカーが搭載されており、特別なヘッドフォンなどを用意しなくてもそのままの状態でも音も含めてコンテンツを楽しむことが可能です。また、同じテンプル右側の下にはディスプレイのオンとオフを切り替えるボタンと、輝度を調整するためのボタンが用意されています。
映像のソースはUSB Type-C経由で取り込めるようになっていますが、こちらは左側テンプルの端にケーブルを接続して使用します。
『Xreal Air』のもうひとつの特徴が、見た目のスタイリッシュさに加えて重量もサングラス並の79グラムを実現しているところです。実際に測ってみたところ、ノーズパッドを一番大きなものに変更してということもあり82グラムという数値が出ています。いずれにせよ誤差の範囲内といった感じで、軽いことには変わりはありません。
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コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者やドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年よりフリーで活動中。XRやPCなどのIT系やゲームをメインに、年間120本以上の取材をこなしています。