動画徹底レビュー【前編】
動画徹底レビュー【後編】
手振れのない滑らかな映像を撮るには必須となったジンバル(電動3軸スタビライザー)。文章や写真では伝えきれないその場の臨場感を映像として残すのはもちろん、仕事として本格的な動画撮影をサポートしてくれる頼もしいアイテムだ。
そして今回レビューするのは、今秋発売された「Feiyu TechのAK4500 スタンダードキット(以下AK4500)」だ。
AK4500の主な特徴は3つ。撮影表現の幅が広がる「豊富なオプション」、プロ仕様の「耐荷重」、独自の「リモートコントローラー」だ。個人が使うジンバルとしては、趣味の領域を超えて活躍してくれるような優れた製品となっている。
AK4500作例
AK4500の3つの特長
電動ジンバルは中国メーカーを中心に多くの製品が販売されているが、AK4500はそれらと比較しても十分に独自の価値を感じられる。
1:豊富なオプションパーツ
まずオプションパーツの多さに驚かされる。正直、元のように収納するのが難しいほどだ(笑)。操作や使い方を覚えるのに一苦労しそうだが、拡張性があるため動画撮影における表現の幅は広がるだろう。
【主な同梱物】
・ジンバル本体
・コントロールグリップ
・ミニ三脚
・拡張ブラケット
・バーサタイルハンドルキット
・つまみネジ
・バッテリー
・充電器
・MicroUSBケーブル
・シャッターケーブル
・保証書/マニュアル等
【スタンダードキット専用同梱物】
・カーボン延長ロッド
・リモートコントロールキット
・フォローフォーカスキット
基本的なパーツ構成はジンバル本体・コントロールグリップ・ミニ三脚となる。これにオプションを加えることで動画撮影のきめ細かいニーズに対応できる。
通常のジンバルでローアングルを撮影する場合には、電源を落とし製品を逆さに持ち替えてる必要があったが、付属の「カーボン延長ロッド」を使えば、ジンバルを前に倒すだけで、地面を這うような躍動感あるローアングル映像が簡単に撮影できる。
このように、豊富なオプションパーツを使うことで撮影の幅がぐっと広がるのだ。
2:大型カメラやレンズも搭載可能!ハイパワーモーターのプロ仕様大型ジンバル
AK4500は製品重量が1,656gに対して耐荷重が4,600gと、耐荷重が他社製品と比べて高いのも特長だ。4,600gといえばミラーレス機はもちろん、レフ機に大三元ズームレンズを付けたような重量にも対応可能となっている。
製品サイズ | 製品重量 | 耐荷重 | |
---|---|---|---|
FeiyuTech AK4500 | 大型機 | 1,656g | 4,500g |
DJI RONIN-S | 大型機 | 1,850g | 3,600g |
ZHIYUN Crane3 Lab | 大型機 | 1,880g | 4,500g |
DJI RONIN-SC | 小型機 | 1,100g | 2,000g |
ZHIYUN WEEBILL LAB | 小型機 | 970g | 3,000g |
主要5製品と比較すると製品重量と耐荷重のバランスが優れていることがわかるだろう。
確かに小型のジンバルは携帯性に優れてはいるが、カメラとレンズのバランスによっては、モーターに負担をかけてしまったり、カメラとロールモーター部が干渉してしまう現象が見られる。
今回はPanasonic GH5にレンズはPanasonic LEICA DG VARIO SUMMILUX 10-25mm F1.7と大きめのものをチョイスしてみた。小型ジンバルではバランスがとれず使用が難しい組み合わせだが、AK4500は問題なく使用できる。
ちなみに各軸のモーターにはロック機構が備わっており、バランス調整時に非常に便利だ。
3:最大の特徴!?リモートコントロールハンドルグリップ
AK4500の最大の特長といっても過言ではない「ハイパーリンクリモートコントローラ」を紹介しよう。
ローアングル撮影時に使用する「カーボン延長ロッド」をオプションの「ハイパーリンクリモートコントローラ」に付け替えることで、ローアングル撮影はもちろん、さまざまなジンバル操作が可能となる。
「ハイパーリンクリモートコントローラ」を使う場合は専用のネジを使用する。「ハイパーリンクリモートコントローラ」上部のネジはスマホホルダー用のネジとなっている。間違えて使用するとジンバルから外れて落下する恐れがあるので注意が必要だ。
ハイパーリンクリモートコントローラによる操作は主に3種類
1:ジョイスティックを使った操作
2:ホイールによる操作
3:モーションコントロール
「ハイパーリンクリモートコントローラ」裏のトリガーを押し続けている間は、ジンバルをモーションコントロールすることが可能だ。
また、オプションパーツのスマホホルダーを「ハイパーリンクリモートコントローラ」に取り付けスマホを搭載することで、カメラからの映像をモニタリングしながら撮影ができる。このようなジンバル操作は一人がジンバルを持ち、もう一人が画面を見ながら被写体を追うなどの2オペ時に役立ちそうだ。
トリセツ編集部 編集長。トリセツの広報としてプロモーション業務とメディア運営を手がける。また各方面でプロモーション、デザイン等の業務に携わっている。