掃除を「楽しむ」にはまず「減らす」こと

2023.12.28
トリセツ編集部/マリックス
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そもそも何のために楽しく掃除したいのか

そもそも、私たちは何のために楽しく掃除をしようと思っているのでしょう?

・衛生的な環境でスッキリ暮らしたいから?

・部屋が汚すぎてどうにかしたいから?

・最近咳が止まらないのは掃除をしてないからかも?

・人生を変えたいから?

・家事ができる人になって婚活を成功させたいから?

・家事代行業でデビューしたいから?

思いついた理由を挙げてみました。

人それぞれ、理由や目的があると思います。

最終目的が何であれ、重要なのは「やる」ことですよね?

やって目的を達成することですよね?

だったら、「やらない自分」や「変わらない自分」を肯定する現状維持を選んではいけません。

だって「変えたい」、「変わりたい」、「願望やイメージを現実にしたい」という思いがあり、そのための手段として楽しく掃除をしたいと思ったわけですよね。

現状を打破するために必要なのは「やった事実」を作ることです。「やった」の程度は何でもいいんです。完璧にする必要はありません。

「やった」という事実を評価します。

そのために「減らす」のです。

減らすのは作業量です。

作業単位を小さくして容易にやり終えられるようにします。

掃除を小さく分解する

掃除の工程を考えると非常に多くの作業に分解できます。

試しに掃除の一分野である「床掃除」を分解してみましょう。

1.床の状態を把握する

2.床に置いてあるカバンや雑誌をどかす

3.掃除機を使うかフローリングワイパーにするか選ぶ

4.フローリングワイパーにドライシートを付ける

5.フローリングワイパーを滑らせる

6.ドライシートにホコリがたくさんついたので裏返す

7.フローリングワイパーを再び滑らせる

8.ホコリが付着したドライシートを外してゴミ箱に捨てる

9.フローリングワイパーを所定の位置に戻す

一つひとつ分解して書き出すと、たくさんの工程があります。ただ、分解したタスクのそれぞれは単純作業で、やり終えるのに大きな力を必要とはしません。

掃除とは高度な認知力を必要とする高等な作業なのでは?

床掃除を「人間の能力の何を使うか?」という観点で作業分類すると、また違うものが見えてきます。

・判断する

・足と手を使う

・手先を使う

・記憶を呼び出す

・また手足を使う

といった感じでしょうか。

私は専門家ではないので断言できませんが、掃除にかかわる各行為は脳のさまざまな領域を連携して使うようになっており、認知機能に問題がある場合は最初から最後までやり遂げられないのではないでしょうか。

つまり「床掃除」というアクションは誰でもできると思われがちですが、実は認知機能を駆使する高度な作業なのではないかということです。

だとすると、一気呵成に掃除を終わらせようと思ってもやる気が出ないのは、むしろ自然なことかもしれません。

だからこそ、「作業単位の分解」と「小さな単位に集中」することが有効だと思うのです。

作業単位が小さければ短時間集中して完了できる

作業単位が小さければ、始めるのも負担にならないはずです。着手してシングルタスクで集中すれば、意外と早く終わります。

自分の経験を振り返ってみると、ある作業タスクがなかなか終わらないという時はほぼそのことに集中していない時です。

悩んでいるとか、実はSNSやメールを見てしまっているとか、気分転換に検索しているなど。集中してそのタスクだけを確実に実行すれば、実は30秒で終了することだった。なんて経験は結構あります。

作業を分解する「粒度」が大事

ポイントは作業分解の粒度です。

粒が大きすぎると終わるまでに時間がかかります。しかし、細かく分けすぎてもタスクの数が増えて管理が面倒です。自分にちょうどよい大きさに切り分けることが大事ですが、分解単位は人それぞれ。やりながらちょうどいい程度を探ってみることがよいと思います。

参考までに私の床掃除の分類単位は以下です。

◉ユニット1:

フローリングワイパーにドライシートをつけて所定の場所に置く。

◉ユニット2:

ほこりに気づいたときに床にフローリングワイパーをかける。

◉ユニット3:

フローリングワイパーを所定の位置に戻す前にシートの汚れ具合を確認。まだ使えそうならそのまま戻す。もう使えなさそうなら、シートをゴミ箱に捨て新しいシートに交換する。

◉ユニット4:

ドライシートのストックを確認して、追加が必要なら買い物リストに追加する

このユニット2単独、もしくは2と3を合わせてやっています。

朝起きた後や、在宅ワークの切れ目のタイミングでやります。1回あたりの実行時間は1〜5分くらいです。

調子がいいと、ユニット2、3、4まで続けてやるときもあります。

義務感からではなく、やりたくなってやっています。作業自体も楽しんでいますし、やり終わったときの気分もいいです。

やり始めればさらに良くなる!ポジティブのループ

小さな作業単位に分解し「掃除に着手して終わらせる楽しさ」を味わうと、掃除が習慣になってきます。

そうして拭いたり片付けたり移動したりしているうちに、次のステップに進めるかもしれません。

「そもそも、ここに置いてあるこの『ブツ』は、この場所にキープする必要があるのか?」

「ここでなくてもよいのでは?」

「そもそも保有しておく必要はあるのか?」

などなど、物の配置に対する感度が上がってきたらチャンスです。

無理なくものを処分できるチャンス到来です。使う頻度が低いものは部屋の一等地からは移動しよう。いや、むしろ処分してしまおう。と自然に判断できると思います。

こうしてモノが減っていけば、掃除もどんどんやりやすくなっていくでしょう。

・掃除を

・モノを減らす

この2つは快適な暮らしを維持するための両輪です。

両方がぐるぐる回ることで、うまく前に進んでいけるのです。

最後にひとこと

お読みいただきありがとうございます。

これで掃除を楽しくやれそうな気がしてきた!と少しでも思ってもらえればうれしいです。

掃除のノウハウや新商品の情報は世の中に溢れていますが、何を使うかはそれほど重要ではありません。

結局、掃除は「やるかやらないか」です。下手でも要領が悪くても、着手してやりさえすれば結果が出ます。手を動かしさえすれば「スッキリした」という成果が得られます。

先行き不安なVUCA時代にこんなに確実で心強いことがあるでしょうか?

自分の面倒を自分で見られると、自己肯定感がアップして自信が湧いてくるんです。


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マリックス
マリックス(MARIX)

 カメラ女子系ライター。愛用のカメラはCANON EOS 5D Mark IV。ミニマリストをお手本に道具や電子機器は徹底的に気に入ったものしか買わないと決めている。写真を撮りに行きたい国はアイスランド、インド、キューバ、台湾。
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