1万以上のソフトがSteam Deckで「快適に動作」または「プレイ可能」
PCプラットフォームのSteamと融合していることのメリットはいくつかありますが、そのなかのひとつがValve自身が『Steam Deck』での互換性をチェックして公表しているところです。PCゲームの場合、コンシューマーゲーム機と大きく異なるところは、それが自分の環境で快適に遊ぶことができるかどうかは、実際にそのゲームを購入して動かしてみるか、あるいは体験版で動作確認をする必要があります。
その状況をわかりやすくするために、Steamで配信されているゲームは4つのカテゴリーで『Steam Deck』の互換性が表示されています。「確認済み」は問題なく遊べるゲームで、「プレイ可能」もテキストが一部小さいなど細かな点はあるものの、ゲーム自体は遊べるタイトルのことを指しています。
それに加えて、プレイ不可能な「非対応」や検証前の「不明」という感じでカテゴリー分けされているため、ゲームを購入する前に確認することもできます。このうち、「確認済み」と「プレイ可能」のタイトルが、今年の6月27日に合わせて1万本以上に達しました。つまり、『Steam Deck』で遊ぶことができるタイトルがそれだけあるということになります。
上記に加えて、コミュニティが充実しているところも『Steam Deck』を大きく下支えしている部分です。ユーザー投稿による互換性に関する情報を集めた「protonDB」と呼ばれるデータベースサイトがあり、そちらの投稿をチェックすることで、Steam上で「非対応」と書かれているタイトルであっても、少し設定を変更することで遊べるようなタイトルがあることがわかります。
投稿されているのは英語のみですが、互換性について興味がある人は、こちらも合わせてチェックしておくことをオススメします。
初日に12時間ぶっ通しでいじりたおしてしまった奥深いカスタマイズの世界
Steamという、巨大PC配信プラットフォームとの融合と、独自性の高い『SteamOS』の採用ということもあり、一般的なWindosを搭載したゲーミングUMPCと比較してクローズドな印象を持たれる人がいるかもしれませんが、実はそうではないところがこの『Steam Deck』の奥深いところです。
ベースがLinuxのためほかのプラットフォームで配信されているPCゲームは一見遊べないような感じもしますが、ある程度のリテラシーがある人ならばゲームをインストールして遊べるようになっています。
こうしたカスタマイズを行うときは、『Steam Deck』をWindowsiのようなスタイルのデスクトップモードで起動する必要があります。デスクトップモードでは、コマンドプロンプトでコマンドを入力するなど、まさにLinux的な使い方ができるのです。
しかし、初心者には難しく感じるような一面は、あえて見えないようにしているところが、この『Steam Deck』の素晴らしい頃だといえます。たとえばデスクトップに切り替えるには、本体のメニューから電源をたどり「デスクトップに切り替え」という項目を選ぶ必要があります。
こうしたデスクトップモードなどを活用して、様々なツールをインストールしたり、あるいは他のプラットフォームのゲームを遊べるようにしたりと、いろいろと調べながらカスタマイズしているのがむちゃくちゃ面白くて、自宅に本体が届いた初日はなんと12時間もぶっとしで『Steam Deck』のカスタマイズをしてしまったほどでした。
普通にPCゲームを携帯ゲーム機であそべるというのももちろん魅力ですが、こうしたゲーム機をカスタマイズするのが大好きな人は間違いなくはまってしまいます。
お手軽にPCゲームを遊びたいになら持っておいて損はなし
というわけで、いろいろとご紹介してきましたが、まとめるならば携帯ゲーム機でお手軽にPCゲームを遊びたいならば、間違いなく2023年8月末の現在でもオススメのマシンであることは間違いありません。
このゲーム機を機会に、今後様々なメーカーから出てくるゲーミングUMPCに興味を持つというのもいいかもしれません。発売以降セールなども行われることがあるため、そのタイミングで手に入れるのもいいでしょう。
いずれにせよ、通常のゲーミングPCを購入するよりもコストパフォーマンスはよく、いつでもどこでも好きなところでPCゲームが遊べるところも魅力です。興味がある方はぜひチェックしてみてください。
※本文内の価格情報は2023年9月13日時点でのyahooショッピングでの価格です。
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者やドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年よりフリーで活動中。XRやPCなどのIT系やゲームをメインに、年間120本以上の取材をこなしています。